タレスなど3社、5G衛星サービスで協業

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仏政府が11日に開いた投資誘致会合「チューズ・フランス」の機会に、仏タレス(防衛電子)、スウェーデンのエリクソン(通信機器)、米クアルコム(通信技術・半導体)の3社は、衛星コンステレーションによる5Gサービスの実現に向けて協業すると発表した。地上試験の実施に向けた準備を進める。
3社は総額で80億ユーロの投資を計画する。タレスが衛星を開発、エリクソンが地上設備を開発し、クアルコムは対応する端末を開発する。ただし、通信容量は数十Mbps程度で、4Gにむしろ近い。衛星コンステレーションは全部で600-800基と数は少ないが、衛星1基の規模は、例えばスターリンクと比べて大きい。全世界を5Gで一気にカバーし、スマホから直接に回線を利用できるようにする初めてのプロジェクトとなる。
技術面の確立に加えて、ビジネスモデルの立案が課題となる。協力する3社には、衛星運用事業者は含まれておらず、通信事業者との協力体制をどのように確保するかが鍵となる。各国政府に対して直接に通信容量を提供し、警察や災害救助といった国土の完全カバーを必要とする業務の需要に応えることも目指す。