欧州で新型車に「ブラックボックス」搭載義務

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欧州連合(EU)の法令に従い、この7月6日より、新型車に「ブラックボックス」の搭載が義務化される。事故発生の30秒前から発生後の10秒後までの期間について、速度、加速度、衝突の強度、シートベルト着用の有無、エンジンの稼働状況、ウインカーの点灯状況といった様々なデータが記録される。この法令は2019年にEUにより制定されたもので、事故を捜査する司法当局と、交通事故統計を管轄する当局のみがデータにアクセス可能とされている。
7月6日付で施行される新規則は、同日以降に発売される新型車から適用される。販売される新車のすべてに規則が適用されるのは2年後の2024年7月1日となる。中古車への適用拡大は予定されていない。
7月6日付で、新型車に適用される規則はこれだけではなく、衝突被害軽減ブレーキ、ACC(車間距離制御機能)、後退時衝突防止支援システム、居眠り防止装置も搭載が義務化される。「ブラックボックス」用の各種センサーは既に装備されているものを利用できることが多く、費用の増分はさほど大きくないと考えられるが、多数の安全装置の義務化により合計では新車の価格の明らかな上昇を招く可能性がある。「ブラックボックス」については、保険会社から出されているデータへのアクセスの要望に、今後どのような対処がなされるかが注目される。