ボルヌ新内閣、下院での過半数を確保できず

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4日にボルヌ内閣の改造人事が発表された。野党系の人材は結局登用されず、連立与党は少数派のままで政策運営に臨むことになる。
右派系の人材としては、ボーベー市の市長を務めるカイユー氏が地方自治体担当相として起用された。左派系の人材としては、クリッシースーボワ市の市長を務めるクラン氏が、都市・住宅担当相として起用された。ただし、いずれも以前からマクロン大統領を支持する姿勢を表明していた地方議員であり、野党勢力との協力の展望を示唆する人選とはいえない。このほか、欧州担当閣外相には、オランド大統領の経済顧問を務めたブーン氏が起用されたが、同氏は、当時に経済相に就任するため大統領府を離れたマクロン現大統領の後任として就任したという縁がある。
連立与党内では、フィリップ元首相派の起用が目を引く。重要ポストのエコロジー移行相にはベシュ地方自治体担当相が昇格。フィリップ派としてはこのほか、貿易担当相にベシュト氏が、また、国土組織担当相にフィルマンルボド氏がそれぞれ入閣した。ただし、中道MODEMも、バロ・デジタル担当相の入閣を得て所属閣僚数が4人となり、フィリップ派より多くするという配慮もなされた。
産業担当相にはマクロン大統領に近いエコノミストのレスキュール氏が起用された。新入閣の閣僚はやはり大統領のルネサンス党(旧LREM)に所属する下院議員が多く、自陣営の処遇という配慮がにじむ。なお、カステックス前内閣の閣僚で、ボルヌ新内閣において残留していなかった3人の女性閣僚(シアパ、ダリューセック、エルハイリ)が再入閣しており、男女同数を達成するための人材が不足しているのかという印象もある。