住宅ローンの上限金利が引き上げに

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

政府は6月30日、住宅ローンの上限金利の引き上げを決め、同日に官報上で公示した。償還期限20年以上の与信については2.40%から2.57%へ、同20年未満の与信については2.43%から2.60%へ引き上げられた。いずれも17ベーシスポイントの引き上げとなる。
上限金利は、保証保険料を含めた実効金利を適用対象とする。市中金利の上昇に伴い、銀行側も金利を引き上げざるを得ない状況に追い込まれているが、顧客の信用力によっては実効金利が上限金利を超えてしまうような状況が生じており、与信が収縮に向かうとの懸念の声が、業界関係者から上がっていた。政府は少し前までは上限金利引き上げの可能性を否定していたが、一転して引き上げに応じることを決めた。
業界関係者の中には、この程度の引き上げでは不十分だとする声がある。Meilleurtaux(住宅ローン仲介業)のベルニエ氏は、銀行の調達金利(20年)が2.40%前後という状況で、銀行は融資に動けなくなると指摘している。これに対して、フランス中銀の側では、現状で銀行の与信は拡大を続けており(4月の259億ユーロに対して5月には260億ユーロ)、信用力のない顧客が融資から締め出される状況は生じていないと反論している。