政府、2022年の経済成長率を下方修正

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仏経済省は28日、2022年の経済成長率予測を2.5%に下方修正すると発表した。予算法が採用した予測は4%だったが、ウクライナ危機の経済への影響を折り込む形で、2.5%まで下方修正した。なお、フランス中銀の最新予測は2.3%となっており、政府が採用した予測値はそれと比べるとわずかに高めとなっている。
経済省はその一方で、2022年の財政赤字の対GDP比率は、従来の予測通りに5%を維持すると発表した。経済省はその理由として、当初予測よりも2022年の税収が550億ユーロ増える見通しとなったことを挙げた。増加分のうち300億ユーロは、好調だった2021年の実績に対する課税に由来する分となる。政府は特に、雇用情勢の回復が続いていることから社会保険料の収入が好調であり、法人税と付加価値税(VAT)の税収も堅調であるという。
政府は7月6日に、これらの修正を盛り込んだ補正予算法案と、購買力増強措置を盛り込んだ法案を提出する。ルメール経済相は、29日付の経済紙レゼコーとのインタビューの中で、購買力増強措置は250億ユーロの規模になると予告。財政赤字の対GDP比率は、この措置を考慮した上での予測であることを示しつつ、予算上の余裕はもうないとして、安易な追加措置に応じることはできないとの姿勢を見せた。ただし、8月末に終了予定の、自動車の燃料価格の割引措置(1リットル18ユーロセントを国が肩代わりする)を、年末まで延長する提案があるなら検討するとした。経済省筋では、企業を対象にした特別課税の導入の可能性は否定しているが、好調な利益を挙げる企業が、購買力支援の自主的な努力をすることは歓迎するとしている。