INSEEは25日、2022年通年のマクロ経済指標予測を公表した。ウクライナ危機などを背景にインフレ亢進が進むが、フランス経済は相対的に抵抗力を示すと予想した。
2022年の通年経済成長率は2.3%を確保する。インフレ率は、6月の5.6%に対して、9月には6.8%まで上昇。12月末まで同じ勢いで物価上昇が続く。通年インフレ率は5.5%となる。INSEEは、政府の一連の物価抑制策により、インフレ率が2ポイント程度押し下げられていると指摘。これがなかったら通年インフレ率は7%を超えることになる。なお、政府は最近に、電力・ガス料金の抑制策を年末まで延長することを決めている。他方、インフレ亢進を受けて、家計購買力は通年で1%の低下を記録する。こちらも、政府の一連の購買力支援策(特別賞与の非課税枠拡大、公務員の賃金引き上げ、年金・社会給付の増額など)がなかったら、購買力の落ち込みはさらに大きくなったはずだという。雇用情勢も改善が続き、通年では26万人の雇用数純増(0.8%増)が見込まれ、年末時点の失業率は7.0%まで下がる(1年前は7.4%)。雇用の拡大が続くことで、インフレ亢進に伴う賃上げ圧力は一段と高まることが予想される。
反面、公的債務残高は2022年を通じて888億ユーロ増加し、2兆9028億ユーロと過去最高額に達する。対GDP比では114.5%に上る見通し。