オリンピック・リヨン、米国人実業家が買収へ

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仏大手プロサッカーチームのオリンピック・リヨン(オランピック・リヨネ)は20日、米国人実業家のジョン・テクスター氏が同社の過半数株式を取得する方向で独占交渉を開始したことを明らかにした。
計画によると、テクスター氏の持ち株会社であるイーグル・フットボールが8600万ユーロの増資を引き受けて出資する。次いで、1株3ユーロで簡易TOBを実施して残り株式を買い取る。評価額は5億2950万ユーロとなる。90%株式以上を取得したら、上場廃止を目的に残り株式を強制的に買い取る。
現在、オリンピック・リヨンの過半数株式は、仏パテ(映画)、IDGキャピタル(中国の投資ファンド)、Holnest(ジャンミシェル・オーラス会長の持ち株会社)が共同で握っている。オーラス会長は実業家出身で、1987年にオリンピック・リヨンを買収し、同チームを欧州の有力チームに育てた。会長は、6月初頭に新たな出資者を受け入れると予告、複数のオファーの中からテクスター氏を選んだ。ただし、会長は向こう3年間は会長職にとどまる旨を明らかにしている。
テクスター氏は56才。スポーツのオンライン配信業の実業家で、欧州では、英国のクリスタル・パレスFCの40%株式を保有、また、ベルギーのRWDM47(現在2部リーグ)の80%株式を所有している。米国人が仏サッカーチームを買収した事例としては、フランク・マクート氏によるオリンピック・マルセイユ(2016年、現在もオーナー)がある。