俳優のジャンルイ・トランティニャン氏が死去、91才

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

仏俳優のジャンルイ・トランティニャン氏が6月17日に、自宅がある南仏ガール県ユゼス市で死去した。91才だった。
トランティニャン氏は同じガール県で1930年に生まれた。1950年にパリに上り、映画学校と演劇教室で学んだ。舞台俳優として頭角を現した後、1956年の「素直な悪女」(ロジェ・バディム監督)でブリジット・バルドーの相手役として注目された。1966年のカンヌ映画祭パルムドール受賞作「男と女」(クロード・ルルーシュ監督)の主役で特に知られるが、悪役を含めて幅広い役柄を、繊細で陰影に富んだ演技と独特の抑揚の声で演じ、年を重ねるごとに深みを増した。数々の著名監督に起用され、映画出演は120作に上る。1962年に生まれた長女のマリー・トランティニャンは女優となり、舞台などでも共演を果たしたが、マリーは2003年に、当時の内縁の夫だった歌手のベルナール・カンタに暴行を受けて死亡。深い痛手を負ったトランティニャン氏はその後、舞台と映画撮影に復帰。2012年にカンヌ映画祭パルムドールを受賞した「愛、アムール」(ミヒャエル・ハネケ監督)では、妻の認知症に向き合う老人の役を演じて好評を博した。