セルブロードキャストがフランスでも開始に、災害警報など特定地域に配信

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

フランスでセルブロードキャスト「FR-Alert」の運用が6月末より開始される。特定地域に災害・安全等の情報が警告音と共に配信される。
セルブロードキャストでは、短文の通信文が、対象地域内にあるすべての携帯端末に一斉に配信される。この制度は米国など諸外国で導入されており、欧州連合(EU)も2018年の指令において、「EU-Alert」として導入を加盟各国に対して義務付けていた。6月21日が導入期限となっており、フランスはわずかに遅れて導入の運びとなった。
政府が対象地区を指定した上で通信事業者に送信を依頼。通信事業者は対象地区の送信アンテナを特定し、一斉配信を手配する。国に通信費用は徴収されない。政府は2019年10月に導入準備に着手。5000万ユーロの予算が設定され、うち3700万ユーロは、通信事業者の設備投資のために充当された。4G及び5Gのネットワークをアップデートし、冗長性を確保するための装備の設置が必要だった。アンドロイド端末はそのまま利用可能で、アップルは最近にiPhoneのアップデートを配布した。設定で受信の仕方を変えることは可能だが、特に重要な「大統領アラート」については受信拒否はできない仕様であるという。22日から28日にかけて最後のテスト配信が行われ、正式運用が始まる。