総選挙:与党連合から当初の楽勝ムード消える

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

総選挙の第1回投票が12日に迫った。マクロン大統領の与党連合は、当初見込みより厳しい戦いを迫られている。
一足先に5日に第1回投票が行われた外国居住のフランス人を代表する議員を選ぶ11の小選挙区では、10の選挙区において、左派連合NUPESと与党連合の候補が決選投票で対決するという構図になった。うちほとんどの選挙区で、与党連合がトップで折り返し、決選投票でも優勢とみられてはいるものの、左派連合NUPESが最大の野党勢力としての地位を固めたようにみえる結果でもあり、両者の対決という様相が強まると、反マクロンを追い風としてNUPESが予想以上に台頭する可能性もある。
大統領陣営は当初は、お膝元であるルネサンス(旧LREM)だけで過半数(289議席)の達成を目指す構えだったが、与党連合アンサンブル(中道MODEMと右派「地平」含む)を合わせても過半数に届かないというシナリオも「不可能とはいえない」と認めている。マクロン大統領は4日発表のインタビューの中で、NUPESを率いるメランション氏や、極右RNのマリーヌ・ルペン氏の公約を、混乱と屈服を招くと批判。「屈服」という言葉は、伝統的にそれぞれロシア寄りの両氏の態度への批判の念が込められている。