Toopi Organics、尿から肥料を得る工場を開所

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

仏ベンチャー企業Toopi Organicsは3日、ジロンド県に初めての工場を開設した。人間の尿を処理し、液体肥料を製造する同社開発の技術を導入した初の工場が稼働を開始した。
Toopi Organicsは、地元のヌーベルアキテーヌ地域圏からの援助を得て、初の工場を建設した。工場は、年間25万トンの尿を処理し、同量の液体肥料を製造できる。6万ヘクタールの農地の需要を満たせる量に相当する。尿は、公共施設の協力を得て収集し、トラックで工場に搬入する。フュチュロスコープ(テーマパーク)やバンシが運営する高速道路サービスエリアなどからの搬入を予定しており、十分な尿を確保するめどをつけた。同社の技術を用いると、発酵を用いて安価に不純物を除去し、肥料分のみを残した液体肥料を得ることができるという。廃棄物が出ない点も優れており、肥料の輸入を置き換えることで、対外依存を軽減し、輸送に係る二酸化炭素の発生を削減できることもセールスポイントとなる。循環経済と「地産地消」への貢献もアピールする。
同社は今後、フランス国内の20都市で自治体との合弁事業の形で処理工場を開設することを目指している。5年後に国内で8000万ユーロの売上高達成を目指す。欧州数ヵ国で製品の販売許可を既に取得しており、フランスでは2023年初頭の許可取得を見込んでいる。