ボルドーワイン:サンテミリオン格付けからシャトー・ラ・ガフリエールが離脱

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

ボルドーワインの名産地サンテミリオンで格付けを巡る軋轢が続いている。老舗のシャトー・ラ・ガフリエールがこのほど、2022年の改定への不参加を決めたと発表した。
サンテミリオンの格付けは10年に1度、改定されることになっており、今年に改定の時期を迎える。2012年に改定された現行格付けでは、「グランクリュ」が64銘柄、その上の「プルミエ・グランクリュ」が18銘柄、それぞれ指定を受けており、プルミエ・グランクリュの中で4銘柄が「A」等級を獲得した。しかし、格付け方法に対する不満や批判が以前からくすぶっており、前回改定の結果を巡っても複数の訴訟が争われた。その一方で、2022年の改定方法の変更にも批判が集中しており、A等級を得た4銘柄のうち、シュバルブラン、オーゾンヌ、シャトー・アンジェリュスの3銘柄が、次回改定に参加しないことを発表済みで、シャトー・ラ・ガフリエール(プルミエ・グランクリュ)で不参加は4銘柄目となった。
格付けは1954年以来、INAO(地理的名称保護の公的機関)が管理しており、2022年の改定は、新たな基準書に基づいて検査・認証大手のビューローベリタスが行うことになっている。審査員の人選を巡る対立に加えて、新たな基準書において、SNS上の広報やワイン観光の受け入れ方針といった項目に重きが置かれていることが、特に批判の対象となっている。