グルノーブル市の「ブルキニ」解禁条例、行政裁判所が差し止め判決

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グルノーブル市議会が先に採択した市営プールにおける「ブルキニ」解禁措置について、グルノーブル行政裁判所は25日、地元のイゼール県県庁が起こした訴えを認めて、この解禁措置を差し止める判決を下した。グルノーブル市はこれを不服として、行政最高裁(コンセイユデタ)に控訴すると発表した。
ブルキニは、イスラム教徒の女性向けの水着で、全身を隠せるようになっている。グルノーブル行政裁判所は、膝下よりは短いことを条件として、体にぴったりしていない水着の着用を認めるという新規定は、明らかに宗教的な動機のみに由来するものであり、公共サービスの中立性という原則に著しく反するものであると認定し、新規則の差し止めを命じた。
今回の訴えは、イゼール県庁がダルマナン内相の指示を受けて起こした。2021年の原理主義対策法により導入された、「政教分離審理」請求という新たな手続きを用いた最初の判決となった。この手続きは、国の代表者である県庁が、政教分離の原則に違反すると認められる自治体の決定を、行政裁判所に訴えることができるというものである。
環境派のピオル市長が率いるグルノーブル市議会が決めたブルキニ解禁措置については、マクロン大統領派から野党の保守勢力に至る右寄りの層が、原理主義的な考え方の浸透を助長するものだとして反発していた。この措置の無効化を求める訴訟も別途起こされている。