INSEE統計によると、2020年に、国民1人当たりの仏GDP(国内総生産)は3万4089ユーロとなった。地域圏別では、イルドフランス地域圏(パリ首都圏)が5万7600ユーロでひときわ高く、全国平均を上回ったのは同地域圏のみだった。首都圏と他の地域の格差がいかに大きいかがうかがわれる。首都圏で住民1人当たりのGDPが大きいのは、首都圏に付加価値の高い経済活動が集中していることによる。住民に高齢者が占める割合が低いことも、1人当たりのGDPを押し上げる効果を及ぼしている。また、首都圏外に居住するが、首都圏の経済活動に貢献している人々の存在も、見かけ上の格差を高める要因となっている。
以下、オーベルニュ・ローヌアルプ地域圏(3万3205ユーロ)、プロバンス・アルプ・コートダジュール地域圏(3万1580ユーロ)、ペイドラロワール地域圏(3万258ユーロ)が高い部類に入る。最下位グループは海外県により占められており、最も高いマルチニークが2万4728ユーロで、コルシカ島(2万5571ユーロ)を下回っている。最低のマヨットは9711ユーロと特に低い。ただし、2000年から2019年までの期間で、住民1人当たりGDPの伸び率が最も大きかったのが、マルチニーク、グアドループ、レユニオンの3つの海外県だった。雇用増加の勢いが本土よりも大きく、これが住民1人当たりのGDPを押し上げる要因になったという。半面、伸び率が最も小さかったのが、グランテスト、サントル・バルドロワール、ノルマンディだった。