社会党は5日夜、議決機関を招集し、左翼政党「不服従のフランス(LFI)」との総選挙における選挙協力を承認した。賛成167、反対101で承認した。これにより、LFIは、環境政党EELV、共産党、そして社会党と選挙協力を実現した。全577の選挙区のうち、EELVは100程度、共産党は50程度、社会党は70の選挙区で候補者擁立を認められた。LFIから先の大統領選挙に立候補したメランション氏は、第1回投票で20%を超える得票率を達成して惜敗したが、その実績をたてに左派糾合を企て、それに成功した。メランション氏は総選挙で過半数を獲得し、首相に就任することを目指すと宣言。マクロン大統領に歯止めをかけるために支持してほしいと有権者に呼びかけている。LFIは、政策実現のために、必要とあらば「欧州連合(EU)の規則への不服従」に訴える方針を示しており、社会党内ではこの方針を含めて、LFIとの協力に反対する意見が根強くあり、議決機関における協議は紛糾したが、最終的に賛成多数で選挙協力が承認された。
対するマクロン大統領派は5日、3党協力を取り決めて発表した。マクロン大統領のLREM、バイルー党首が率いる中道政党MODEM、そしてフィリップ前首相が立ち上げた「オリゾン(地平)」の3党が協力組織「アンサンブル」を立ち上げることを決めた。バイルー党首とフィリップ前首相は犬猿の仲とされているが、困難な交渉の末に協力が実現した。また、LREMは党名を「ルネサンス」に改めることを決めた。選挙協力では、ルネサンスが約400選挙区を、MODEMが約100選挙区をとり、オリゾンが58選挙区を確保した。