パリの空港、旅客数の回復で混乱の恐れも

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

パリの主要空港(CDG、ロワシー空港)では、利用旅客数が1年間で3倍に増加している。夏季シーズンに空港での人員不足から混乱が生じる恐れがある。
パリの空港を管理するAPDによると、1-3月期の利用旅客数の伸びは予想レンジの上半分に位置しているという。ADPは2021年に、新型コロナ危機の影響を踏まえて1300人を超える人員削減を実施した。労使合意に沿って、600人を新規採用する計画だが、変則的な労働時間や空港へのアクセス困難を背景に、採用は順調に進んでいない模様で、労組はこのままでは乗客数の回復に対応できないと警告している。ガソリン価格が高騰する中で、ADPは自動車通勤手当(従距離型)をほぼ廃止しており、アクセスが悪い空港への勤務は金銭面で魅力が下がっている。労組側では、荷役作業等の人員を今夏には確保できなくなる恐れがあると指摘している。
ADPは、空港の保安警備を協力会社に委託しているが、業界団体側は、特に3月以来、旅客の回復のペースがADPの予想をはるかに上回っていると主張。必要な5000人の保安要員に対して、300-500人が不足しているとの見方を示している。