ワイン用ガラス瓶が不足

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

ルフィガロ紙は2日付で、ワイン用のガラス瓶が不足していると報じた。ワイン業者の間で懸念が広がっている。
ルフィガロ紙が引用した大手のネゴシアン(自前の醸造所を持たない業者)は、数十万本のガラス瓶の納品取り消しの通知を最近に受けたと証言している。業者の規模を問わずにガラス瓶不足が広がっているといい、4ヵ月後の収穫を前に、今の時期に瓶詰をして醸造タンクなどを空けてゆかないと作業が回らなくなるという悲鳴も聞かれる。
ガラス瓶製造業界団体の側では、国内工場はフル稼働しており、品薄というのはおかしいと反論、国内需要の3割を占める輸入品が不足しているのではないか、とコメントしているが、ルフィガロ紙は、大手のベラリアとオーウェンズ・イリノイがいずれも年初にストに見舞われたことを指摘。2020年の新型コロナウイルス危機に伴う人員確保の困難もあり、ガラス瓶の製造部門の混乱は続いているとする識者の意見も紹介している。また、エネルギー価格の高騰に伴うガラス瓶の値上げ(1本当たり5-20ユーロセントの上昇、10-40%の値上げに相当)の打撃も生じているという。
ルフィガロ紙では、品薄がきっかけとなって、缶や紙パック、アルミパックなど、従来は考えにくかった容器へのシフトが進む可能性があると報じている。