ステランティス株主総会、経営陣報酬の承認を拒否

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自動車大手ステランティスは13日にリモート方式で株主総会を開いた。この機会に、株主らは2021年会計における経営陣の報酬に関する部分について、投票において承認を拒否した。株主らはタバレスCEOの巨額報酬を問題視した。
報酬に関する投票は諮問的な性質のものであり、強制力はない。株主らは反対52.1%で否決した。ステランティスはこの投票について、内容を承知したとし、2022年会計に投票内容を反映させると約束した。
タバレスCEOは2021年分として1900万ユーロの報酬を受け取る。うち業績連動型の報酬が1300万ユーロと特に多い。この水準は、米国企業においてはよく見られるものだが、欧州においては格別に高い。これに加えて、2025年までの業績目標達成の場合に支給される金額が5000万ユーロに設定されているなど、タバレスCEOが今後に受け取れる見込みの金額はさらに多くなる。資産運用会社のPhitrustは、タバレスCEOが6600万ユーロを受け取ったと発表しており、会社側は否定したものの、これが材料となり、報酬の部の投票が否決される事態となった。なお、ステランティスの6%株式を保有し、取締役1名を送り込んでいる政府系金融機関BPIフランスは、投票でタバレスCEOの報酬を承認しなかったと発表している。