ルペン候補の躍進に懸念強める欧州

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フランスの大統領選挙第1回投票で、現職のマクロン大統領と極右のマリーヌ・ルペン候補がわずか4ポイント差で1位と2位につけ、決選投票に進出したが、欧州ではマクロン大統領がトップで折り返したことに対する安堵感と、決選投票で欧州懐疑派のルペン候補が勝利する可能性に対する不安感が相まった反応がみられる。
ドイツの連立与党では、自由民主党(FDP)の連邦議会議員団の副団長を務めるラムスドルフ氏が「共和党が壊滅的な得票に終わり、極右と極左の得票が高い中で、マクロン大統領は決選投票でどこから票を集められるのか」と懸念を表明。社民党(SPD)のロート議員(連邦議会外務委員会委員長)も、マクロン大統領が再選されなければ、欧州は終わりだと断言し、全員がマクロン大統領を後押しする必要があると強調した。
野党・キリスト教民主同盟(CDU)のラシェト前党首も、ルペン候補は欧州の破壊を目論んでおり、欧州の将来にとってマクロン大統領の勝利が決定的に重要だと述べた。
ブリュッセルの欧州議会でも、ルペン候補の当選は欧州の不安定化と弱体化につながるとの懸念が支配的であり、マクロン大統領の再選に向けて仏有権者の動員を呼びかける声が強い。ただ、どちらの候補が勝利しても、フランスが二分し、麻痺状態に陥るリスクを指摘する声もある。