マッキンゼー事件、検察当局が予備捜査を開始

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金融犯罪全国管区検事局(PNF)は6日、米コンサル大手マッキンゼーのフランス子会社を対象にした予備調査を開始したことを明らかにした。3月31日付で、重大な脱税の疑いについて捜査を開始した。
この問題は、上院の調査委による告発を経て大きく取り上げられるようになった。上院調査委は、マクロン政権が過度にマッキンゼーのようなコンサル会社に契約を付与していると指摘。特に、マッキンゼーが多額の収入を得ておきながら、過去10年間で一切フランスでは法人税の納税実績がないとの調査結果を示し、これを検察当局に通報すると予告していた。これを受けてPNFは予備捜査を開始した。
マッキンゼーはこれについて、当局の調査にはいつも協力しており、今回も同じだとした上で、フランスの税制や労働法規を遵守していると説明。また、上院報告書にもある通り、マッキンゼーは公共調達の1%を占めるに過ぎないのに、このように大きく取り扱われることに当惑しているとコメントした。
捜査においては、マッキンゼーのフランス国内の課税標準をゼロとすることに貢献した、外国の関連会社との取引における移転価格が正しく設定されているかが焦点となる。この問題では、税務当局が2021年末から調査を開始しており、その結論が出るには数ヵ月がかかるという。
この件は、大統領選において他の候補者らがマクロン大統領を攻撃する上で格好の材料となっている。捜査開始の発表が選挙結果にどのような影響を及ぼすかが注目される。