アマゾン、アリアンスペースに大型契約を付与

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米アマゾンはこのほど、衛星インターネットのプロジェクト「カイパー」に関して、衛星打ち上げの3件の委託契約を結んだ。欧州のアリアンスペースも大型契約を獲得した。
アマゾンは、アリアンスペースのほかに、米ULA(ボーイングとロッキードマーティンの子会社)及びブルーオリジン(アマゾン創設者のベゾス氏が設立)と契約を結んだ。5年間で最大83回の打ち上げがなされ、3236基の衛星が低軌道に投入される。内訳は、ULAが38回、アリアンスペースが18回、ブルーオリジンが12回(15回のオプション付き)。アリアンスペースは新開発の「アリアン6」ロケットで打ち上げを行う。契約額は公表されていないが、アマゾンの投資額は100億ドルを超えるものとみられている。
アリアンスペースは3年間に毎年6回をアマゾンのために打ち上げることになる。アリアン6は、年間11回の打ち上げで採算を確保できるとされており、出資国である独仏などは、年間7回の打ち上げを保障するために、この2年間にわたり厳しい交渉を行っていた。アマゾンからの事業の確保で、新型ロケットを商業ベースに乗せるめどが立った。アリアン6の初打ち上げは2022年末に予定されているが、2023年にずれ込むとの推測もある。カイパーの打ち上げ事業は2023年より始まる見通し。