アルベール・カーン博物館がリニューアルオープン

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パリ西郊ブーローニュ・ビヤンクール市にあるアルベール・カーン博物館が4月2日に一般公開を再開した。6年越しの工事を経てリニューアルオープンした。
アルベール・カーン(1860-1940年)はアルザス出身の銀行家で、その私邸と庭園が1968年以来、地元のオードセーヌ県の県立博物館となっている。カーンは1909年より20年余りの期間、私財を投じて世界各地に撮影団を派遣し、民族の生活や動植物、建造物などを、発明されたばかりのカラー写真に撮影させた。記録映画も撮影させた。これは大恐慌を経てカーンが破産する1930年代初めまで続けられ、18万メートルに上る映画フィルム、4000枚に上る白黒写真、7万2000枚に上るカラー写真を残した。日本のアイヌの生活風景なども含まれ、世界各地の貴重な資料となっている。
リニューアルでは、2300平方メートルの新館が建設され、既存の8棟の建物(展示ギャラリー含む)の改修がなされた。6000万ユーロ余りの投資がなされ、現代の基準に即した設備のレベルアップが図られた。設計は隈研吾が手掛け、道路側は折り紙を思わせるアルミニウム製の現代的なデザインを採用、庭園側は、横木とガラスを組み合わせた壁面で、風景に溶け込む外観となっており、縁側のような回廊も設けられている。