CMA CGM、ジェフコを買収へ:ロシア鉄道RZDから75%株式を取得へ

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仏海運大手CMA CGMは、ジェフコ(ロジスティクス)の完全買収を計画している。同社に近い筋が4月1日に、仏経済省との連絡の下で買収を検討している旨を認めた。
ジェフコは70年前に自動車大手プジョー(現在のステランティス)が車両輸送を目的に設立した子会社。鉄道による車両等の輸送を担当している。2020年の売上高は38億ユーロで、うち半分をステランティスからの契約により達成した。同社は2012年にロシア鉄道RZDの傘下に入り、RZDが75%株式を、ステランティスが残り25%の株式を保有している。RZDはジェフコの売却を以前より検討しており、2021年6月には売却先探しに一旦着手し、その後に手続きを中断していた。
ウクライナ危機の勃発により、ジェフコの今後に関する懸念が強まっていた。RZDは米欧による制裁対象のリストに入っているが、報道によれば、RZDからのジェフコ株式の買収については、決済も含めて特例措置として認められる模様だという。CMA CGMは、2021年6月の買収者探しでも候補として名前が上がっていた。75%株式をまず取得し、その後にステランティスからも25%株式を取得し、完全子会社化する予定とされる。報道によると、RZDからの買収額は4億5000万-5億ユーロ程度になる見込みで、2012年にRZDが買収した際の8億ユーロに比べて小さい。CMA CGMをはじめとする海運業者は新型コロナウイルス危機に伴う用船レートの上昇により、足元で潤沢な資金を確保している。