欧州委、「ゴールデンビザ」制度の廃止を加盟国に要請

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欧州委員会は、資産家向けに滞在許可証や国籍を付与するいわゆる「ゴールデンビザ」制度を廃止するよう、加盟各国に対して要請している。ロシアのウクライナ侵攻を経て、ロシア人資産家がよく利用しているこの制度により、市民権を確保した人物たちが制裁措置をかいくぐることを阻止する狙いがある。投資促進を目的とする同制度は、以前から批判の対象となっており、欧州委も、今回のウクライナ危機より前に、制度の見直しを求める圧力を強めていた。マルタとキプロスは、欧州委による提訴の対象となっており、キプロスは2020年末に、国籍付与の制度を撤廃した。マルタは3月初頭に、同制度を無期停止すると発表。ブルガリア国会も打ち切りを議決した。スペイン、ポルトガル、ギリシャも同様の取り組みに着手した。
欧州委はさらに、制裁措置の対象となっている人物に付与された滞在許可証・国籍のはく奪に着手するよう、加盟国に要請している。対象者の数や名前については公表されていない。