サッカー仏代表チームの主力選手であるキリアン・エムパベは22日、仏サッカー連盟(FFF)が主催したスポンサーのための写真撮影会に欠席した。一部のスポンサーの事業に賛同できない旨を理由に欠席した。
撮影会は公式戦の前に必ず、パリ郊外クレールフォンテーヌ市にある練習場を会場として行われている。スポンサー契約に伴う選手の肖像権等はFFFが一括管理しており、選手には撮影会に係り2万5000ユーロの報酬が一律に支払われている。権利関係の協約は2010年に定められ、エムバペ選手も2017年の初選抜時に契約に署名しており、参加は契約上の義務となっている。
エムバペ選手側は、第2列のスポンサーである「オフィシャル・パートナー」の一部に、事業に賛同できない企業が含まれているとし、肖像権の使用への配慮を促すための問題提起として、参加を見合わせたと説明している。コカ・コーラやKFC(ケンタッキー・フライドチキン)のような、「健全な食生活に支障をもたらす」企業、さらに、オンライン賭博のBetclic社がスポンサーに加わっていることを問題視しているとされている。
仏サッカー連盟(FFF)の側は、エムバペ側の主張が浸透して、代表チーム選手の肖像権の一括運用という原則が崩れることを恐れている。スポンサー契約は年間9000万ユーロの収入を連盟にもたらしており、これはアマチュアサッカーの振興のための資金となっている。連盟のルグラエト会長はエムバペ側に書簡を送り、改善すべきところは改善するとして、協議を申し入れた。ペナルティはちらつかせずに、話し合いで解決する姿勢を示している。
エムバペ級にもなれば、はした金でカメラの前で笑えるかというのが本音ではないだろうか。所属するPSG(パリ・サンジェルマン)のスポンサーには、コカ・コーラやマクドナルド、オンライン賭博のUnibetなどが揃っているが、エムバペがPSGのマーケティング・キャンペーンを拒否したことはこれまでに一度もない。