航空各社、長距離便の運賃を引き上げ

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

航空各社は、燃料価格の高騰に伴うコスト上昇を緩和するために、この2週間で長距離路線の運賃引き上げを相次いで決めた。エールフランスは、パリ・ポワンタピートル(グアドループ)の往復運賃を40ユーロ引き上げた。エール・オーストラルは、パリ・サンドニ(レユニオン)の往復運賃を30ユーロ引き上げた。フランスの航空会社の長距離便の運賃は平均で7-8%引き上げられたという。こうした動きは、エミレーツ航空、日本航空、デルタ航空など世界各国の航空会社でみられる。仏本土をアンティル諸島やインド洋方面と結ぶ仏コルセールは、燃料価格を1トン630ドルに設定して現行年度(2023年9月期)の予算を立てたが、燃料価格は3月21日には1218ドルに達している。同社は、コストの増分は20%に上る見込みだが、運賃の引上げ幅は7-8%に抑えて、需要回復の腰を折らないよう配慮していると説明している。
短距離・中距離便ももとより航空燃料の高騰の影響を受けているが、格安航空会社のライアンエアーでは今夏、サーチャージを導入しないことを決定、同業他社も引上げを手控えている。格安航空会社は伝統的な航空会社に比べて財務状況が良好であり、この機会に市場シェアの拡大を狙って運賃を抑えている。