アメル神父殺害テロ事件:協力の3被告人に「温情判決」

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パリ特別重罪院は9日、アメル神父殺害のテロ事件で、被告人に有罪判決を言い渡した。出席した3人の被告人には、禁固8年から13年という低めの有罪判決が言い渡された。2017年にイラク国内の空爆で死亡したと推定されている「イスラム国」の幹部であるラシド・カシム被告人は、欠席のまま終身刑を言い渡された。
事件は2016年7月に発生。ルーアン市近郊のサンテティエンヌデュルーブレ市にある教会に2人組の犯人が押し入り、ミサを挙げていたアメル神父を殺害した。居合わせた信者1人も重傷を負った。犯人らは警官隊により射殺された。
裁判では、犯人らが連絡の手段として使っていたテレグラムのチャンネル管理人だったジャンルイ被告人、犯人のうち一方のいとこで、シリア渡航を計画していたケリル被告人、犯人2人と犯行の2日前に会っていたセバイヤ被告人の3人が「テロリストとの協力」の容疑で起訴された。「共犯」の容疑では追及されなかった。被告人らはそれぞれ改悛の情を示し、負傷した男性やアメル神父の姉妹、事件現場に居合わせた修道女など原告らも、恨みは持たず、何よりも理解しようとする態度で臨み、世間に大きな衝撃を与えたこの種の事件としては稀に見る人間的な雰囲気の中で審理は進められた。裁判所は判決に沿った量刑を選択し、更生に期待をかける姿勢を示した。