コルシカ島で反政府暴動、コロンナ受刑者襲撃事件がきっかけ

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コルシカ島で連日、反政府デモが行われている。若い世代の参加が目立つ。9日にはアジャクシオ市で暴動に発展、裁判所で小火があるなど被害が出た。
デモは、コルシカ島知事暗殺事件の実行犯として終身刑にて服役中のイバン・コロンナ受刑者の襲撃事件に端を発している。コロンナ受刑者はアルル刑務所でイスラム過激派の受刑者に襲撃され、意識不明の重体となった。現在も意識は回復していない。コルシカ島の民族主義勢力は、この事件の責任が政府にあると主張し、抗議行動を開始。政府はこれに配慮する形で、コロンナ受刑者を特別監視対象から外すことを決定。この措置は、同受刑者をコルシカ島内の刑務所に移送することを可能にするもので、これは長年の受刑者の家族側の要求でもあったが、民族主義勢力側は、重体の受刑者について今この決定を下すのは不謹慎だとして、別の民族主義者の受刑者2人について直ちに特別監視対象からはずすよう要求しており、抗議行動の勢いはかえって強くなった。9日には、県庁前などで小競り合いが発生、裁判所にデモ隊が乱入して火災が発生する騒ぎもあった。
また、コルシカ島エリニャック知事の暗殺現場に植樹されたオリーブの木を、若いデモ参加者らが破壊しようとして、民族主義のリーダーらに制止されるといった場面もあった。民族主義勢力の有力者らは、表向きは若者らに対して、自らを危険にさらすようなことは控えるよう呼びかけてはいるが、事態が鎮静化に向かうとは限らない。