カジノとオカド、翌日配達の物流サービスを競合向けに提供へ

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食品小売大手カジノ(傘下にモノプリなど)はこのほど、提携先の英オカド(Ocado)と共に、翌日配達の物流サービスの合弁会社を設立することを決めた。仏国内を対象に、食品小売の同業他社にサービスを売り込む。
カジノは、オカドの倉庫自動化技術を採用して、パリ首都圏に物流拠点を開き、自社ブランドの下で翌日配達サービスを展開している。5万品目から注文品を選び、パッケージ化することが可能で、50品目からなるパッケージなら6分間で準備することができる。こうした拠点を全国的に展開するに当たって、競合企業の合流を得て、採算性確保に必要な事業規模を得るという構想で、オカドはこの種の相乗りを一部の諸国で既に行っている。フランスでは、カジノと独占提携を結んで、両社の合弁会社を通じてこの事業を展開する。
カジノは市場シェアが7.4%で、このサービスで全国展開を図るには十分な事業規模がない。他社の合流を呼びかけるのは自然な流れだが、クイックコマースへの関心が高まる中で、翌日配達の需要開拓に競合がどの程度乗り気であるかで明暗が分かれることになる。合弁会社ではオカドが過半数資本を握り、機械装備等の投資はオカドが担当する。カジノは、合流する競合の受け入れに当たり拒否権を確保する。