ルノー:スナール会長、PGEは事業存続に不可欠だったわけではないと反論

投稿日: カテゴリー: 欧州自動車・モビリティ情報

会計検査院は2月7日、国による企業への出資に新型コロナウイルス危機が及ぼした影響に関する評価報告書を公表した。この中で、会計検査院はルノーが2020年の新型コロナウイルス危機で「特に苦しんだ」と指摘し、2020年3月に導入されたPGE(公的保証が伴う銀行融資の特別制度で、国が90%までの公的保証を与え、年商の25%までの額の銀行融資の獲得を支援)を通じた国からの支援が同社の事業存続には不可欠だったと評価した。
報告書によると、ルノーは販売の悪化に伴い、2020年4月にはすでに財務が脆弱化し、手元資金が苦しい状況に陥っていた。しかも格付けが悪化したため、自力ではもはや、債券市場で資金調達を行ったり、銀行から融資を獲得することは難しい状態だった。しかし、ルノーはPGEの制度を利用して、大手5行で構成される銀行団から50億ユーロの融資枠を確保できた。結果的には、このうち2020年までに実際に使用したのは40億ユーロだったが、会計検査院ではこれが同社の事業存続に決定的な役割を果たしたと判断している。
ルノーのスナール会長は、この会計検査院の報告書について、PGEは同社の手元資金を短期的に十分な水準に維持する上では、重要な役割を果たしたと認めたが、それは投資家の信頼を維持し、将来を準備するための投資能力を維持する上で貢献したという意味においてであり、事業存続がかかっていたとまでは言えないとコメントした。
会長によると、2020年4月から5月にかけてのロックダウン期間中はルノーの売上はほぼゼロに落ち込んだが、自動車業界全体を保護するために、サプライヤーへの支払いは続けていたために、支出は通常時とほとんど変わらず、これが資金難の原因だったという。会長はまた、PGEで使用した40億ユーロのうち、10億ユーロは2021年半ばに返済済みで、残りの30億ユーロは2022年から2024年にかけて返済する予定だと説明した。

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