アカデミーフランセーズ、国民身分証の英語表記を問題視

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

アカデミーフランセーズはこのほど、政府に対して催告状を送付し、国民身分証における英語表記をやめるよう求めた。政府がこれに従わない場合には、行政最高裁(コンセイユデタ)に提訴する方針。
フランスの国民身分証は、欧州連合(EU)の新たな法令の内容を反映させる形で、最近にデザインが刷新された。2021年3月13日付の政令により、「身分証」という言葉と、氏名、年齢といった項目名を、フランス語と英語の両方で表記する形に改められた。8月以降に発行の身分証から新たなデザインが採用されている。
アカデミーフランセーズは、フランス語の純化を任務とする17世紀に設立された機関で、フランス語の辞書の編纂と恒常的な改訂にあたっている。アカデミーフランセーズは催告状の中で、EUの新法令は、「身分証」という言葉を、本国の言語とEUの公式言語のうちの一つで表記することを義務付けているのみであり、項目名まで英語表記とするのは行き過ぎであると主張。EU法令を遵守し、項目名はフランス語のみの表記とするよう要求している。
ちなみに、外国人の滞在許可証のデザインもこれと並行して改められ、各項目の表記はフランス語と英語の両方が採用されている。ただし、「滞在許可証」の文言はフランス語のみの表記となっており、国民身分証とは扱いが異なる。