ボグダノフ兄弟、揃ってコロナ死

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

テレビ司会者などとして活躍したタレントのイゴール・ボグダノフ氏が1月3日、新型コロナウイルス感染症のため入院先のパリ市内の病院で死去した。72才だった。同氏の双子の兄弟であるグリシュカ・ボグダノフ氏も6日前の12月28日に同じく新型コロナウイルス感染症で死去しており、年明けを挟んで兄弟は相次いで世を去った。
ボグダノフ兄弟は1979年、民営化されたばかりのテレビ局TF1の科学啓蒙番組「タンX」の司会を務めて有名になった。SFやオカルトなどとも通底し、時代の流れを敏感に取り入れた番組作りで1987年まで放送され、兄弟は胡散臭い魅力も手伝い、お茶の間の人気者となった。その後もタレント活動や番組の制作・司会、科学啓蒙書の執筆などに幅広く活躍し、2000年前後には兄弟が揃って博士号を取得したが(グリシュカは数学、イゴールは物理学)、著作や博士論文を巡っては、お粗末な内容だとする批判する声が後を絶たない。また、近年では、美容整形の行き過ぎであるのか、兄弟揃って同じように外見が異様になっていったが、本人たちは「宇宙的変容」であるなどとはぐらかして、真相を語ることはなかった。なお、兄弟はいずれも新型コロナワクチンを接種していなかったが、近しい人の証言によると、反ワクチン派だったわけではなく、健康だから必要ないと話していたという。兄弟はまた、2018年6月より、「弱者に付け込んだ詐欺」の容疑で当局による捜査の対象となっており、この1月にも起訴される見通しだったが、死亡を経て公訴は消滅することになる。