カステックス首相は17日、新たな新型コロナウイルス対策を発表した。同日に開かれた対策会議で一連の措置を決めた。
首相はまず、来年初頭に法案を提出し、「衛生パス」を「ワクチン・パス」に鞍替えする方針を盛り込むと予告した。これにより、これまでは検査陰性でも入場が可能だった場所(劇場・映画館、文化施設、レストラン等)には、ワクチン接種済みの証明がなければ入れなくなる。首相はこの法案について、20日より協議を開始すると予告した。政府は、就労においても、検査陰性では認めない方針で、この件で労使協議を20日に開始する。法案にはまた、偽造パスの摘発や処罰を強化する旨が盛り込まれる。
このほか、3回目接種までの間隔が、5ヵ月間から4ヵ月間へ短縮されることが決まった。1月3日付で適用される。ワクチン接種の加速に向けて、軍が協力することも決まった。これとは別に、当局機関CCNE(倫理諮問委員会)は、5-11才のワクチン接種について、倫理的な問題はないとする答申を提出した。一部には慎重論もあったが、緊急性に鑑みて接種を承認した。現時点で、この層の接種は、健康上の問題がある子供に対象が限定されているが、任意制度として、すべての子供に接種の道が開かれる見通し。政府は、すべての関係機関の答申を得た上で、22日にも開始する構え。
首相はまた、年末年始の期間中のコンサートや花火等のイベントを禁止することを決定。公道におけるアルコールの消費も禁止される。他方、病院勤務者の残業手当は20日より倍額とすることも決めた。
なお、欧州諸国では、オミクロン株の感染拡大を受けて、さらに厳しい制限措置を導入するところが相次いでいる。デンマークでは、19日より4週間を期限として、映画館、劇場、美術館・画廊、動物園・水族館、プール、カジノ、遊園地、イベント会場の営業を禁止。バー・レストランは人数制限を導入するとともに、22時以降はアルコール飲料の販売を禁止し、23時に閉店となる。オランダ政府も19日より、必需品を販売する商店を除いて、レストランやバー、映画館などすべての施設を1月14日まで閉鎖することを決定。学校も少なくとも1月9日まで閉鎖される。また、クリスマスの日を除いて、私的会合は家族以外の人数が2人までに制限される。ドイツ政府は、外国からの入国制限を強化。フランスとデンマークに加えて、英国からの旅客も受け入れを厳しく制限することを決めた。