エアバス、大型受注相次ぐ

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

エアバスは16日、オーストラリアのカンタス航空から134機の大型受注を獲得したと発表した。総額規模は130億ドル(約115億ユーロ)に上ると推定されている。
カンタスはこの契約で、国内線向けのナローボディの航空機隊(ボーイング737と717)を更新する。エアバスのA321XLRとA220を購入する。引き渡しは2023年中頃に始まり、10年間にわたり行われる。
カンタスの格安航空子会社ジェットスターはこれより数週間前にA320を100機、エアバスに発注しており、カンタスの契約獲得にも期待がもたれていた。ボーイングとの激しい攻防が展開された模様だが、小型機A220(ボンバルディアの旧Cシリーズ)までを省エネ型の新鋭機で揃えたエアバスが営業面でボーイングより優位に立ったことを印象付けた。最近では、オーストラリアはフランスと結んだ潜水艦契約を破棄し、英米の原子力潜水艦に乗り換えたという事件があり、今回の契約が決まるにあたっては、ある種のバランスが考慮されたのではないかとのうがった見方もある。
エアバスは11月末時点で年初来で610機を受注していたが、今回の契約を含めて800機の大台に近づいた。航空会社がコロナ後をにらんで積極姿勢に転じつつあることもうかがわれる。
これに続いて、エールフランスKLMグループも、エアバスへの大型発注を決定。子会社のトランサビアを含めて、A320 NEOとA321 NEOを合計で100機、確定発注した。60機のオプションも設定された。150機のボーイング737を後継する。