マクロン大統領インタビュー:出馬表明はせず

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

民放大手TF1は12月15日夜、マクロン大統領のインタビュー番組を放送した。番組は、これまでの任期中のハイライトの映像を紹介しながら、大統領にそれぞれのテーマで見解を質す形で進められ、2人の記者が大統領に質問した。収録済みの録画番組として放送された。
大統領はこの中で、4月に行われる大統領選挙への出馬の是非について、正式に表明することはなかったが、5年間で一国を変えることはできず、これからのことはもちろん考えている、と述べて、「4月以降にフランスのために尽くす」のは当然のことだと語った。大統領はその上で、これまでの任期中に、不用意な言葉で人々を傷つけることがあったと述べて、反省の念を示し、自分は大統領として多くを学び、フランスとフランス人をより深く愛するようになった、とも語った。
大統領は、大統領候補らに対する直接の言明は一切控えたが、明らかにライバルを意識した発言も見られた。大量の公務員削減を公約に掲げるペクレス候補(共和党)については、具体的にどこをどのように削るのか明確にしてほしいものだ、と言明。右翼の論客エリック・ゼムール候補に関しては特に厳しく、「移民ゼロ」などという掛け声は間違っていると述べた。
大統領はこのほか、年金改革について、公務員、従業員、自営業者という3部門に大別し、就労の過酷さなどの条件を加味した平等な制度作りを進める考えを示した。また、高齢化にあわせた体制作りは定年年齢の引き上げにより実現する考えも示した。
野党勢力は大統領のインタビューをそれぞれの立場から揃って批判。また、大統領という立場を利用して事実上の選挙キャンペーンを公共の電波を使って展開するのはおかしいとして、テレビ発言時間規制に今回のインタビューもカウントするよう要求している。