ニューカレドニア独立の是非を問う島民投票が12日に行われた。独立反対が96.49%と圧倒的多数を占め、独立は最終的に否決された。
今回の島民投票は、1998年のヌメア合意に盛り込まれていた3回の島民投票の最後の投票であり、独立の可能性も視野に入れてニューカレドニアの自治強化を図る内容のヌメア合意がこれで完全に履行された形となった。ただし、今回の投票には、独立派勢力がボイコットを呼びかけたため、投票率は44%弱と極めて低かった。独立派は、新型コロナウイルス対策のため満足な選挙キャンペーンができないと主張し、投票の延期を求めていたが、政府はこれを拒否。独立派はこれに反発してボイコットを呼びかけた。前2回の投票は、1回目が独立反対56.7%、2回目が同53.3%と、徐々に独立派の勢力が強まる形になっていた。独立派は、選挙結果を無効だとして、国際的な裁判所に訴えると予告している。
マクロン大統領は選挙結果を受けて、有権者の間の対立は依然として深いと認めた上で、「ニューカレドニアがとどまることになり、フランスは一段と美しくなった」と述べて、選挙結果を歓迎した。今後は、ニューカレドニアの新たな地位規定を定めるための交渉を開始し、2023年6月までに島民投票で信を問うことになる。独立派は、2022年4月の大統領選挙を経て新政権が発足するまでは政府との協議に応じないと予告している。