エンジーとRATPのコンソーシアム、パリ市の冷房網を運営へ

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仏パリ市は、冷房網のコンセッション契約をFraicheur de Paris社に付与した。Fraicheur de Parisには、仏エネルギー大手エンジーが85%、RATP(パリ交通公団)が15%を出資している。契約期間は2022年4月から20年間。契約期間内の合計売上高は24億ユーロが見込まれる。
Fraicheur de Parisは、冷気の生産・貯蔵・輸送・配給を担当。加えて、冷房網を拡大する。パリの冷房網は現在、全長93キロ。冷気生産施設は10ヵ所、貯蔵施設は4ヵ所で、年間440GWhの冷気を文化施設、商業施設など780軒の建物に供給している。契約期間中に冷房網は158キロ延長され、パリのすべての区をカバーする。冷気生産施設の数は30ヵ所、貯蔵施設の数は14ヵ所に引き上げられる。病院、学校、高齢者向け施設など衛生的に重要な施設への供給も強化される。更に、冬場にセーヌ川の水の利用量を増やす、人工知能を利用する、環境により優しい冷媒を用いるなどして効率を改善する。
パリ市冷房網は、1991年以来エンジー完全子会社のClimespaceが運営してきた。なおエンジーは、子会社CPCUを通じてパリ市の暖房網も運営している。暖房網については2024年に新たな事業者が選定される予定。