セーヌ・バレーで二酸化炭素回収・貯留プロジェクトで排出大手5社が協力

投稿日: カテゴリー: エネルギー・環境レポート

ルアーブルとルーアン間のセーヌ・バレー工業地区に拠点を置く化学メーカー5社(エアリキード、トタル、エッソ、ノルウェーのヤラ、オーストリアのボレアリス)は、二酸化炭素回収・貯留のための調査や施設設置を共有化することで合意した。このプロジェクトに参加する企業は最終的には11社となる見込みで、そのための費用は数億ユーロに達すると見込まれる。なおルアーブルの工業地区(雇用数は工業部門の1万7000人を含む3万1000人)とルアーブルから西に30kmのポールジェローム工業地区(雇用数は工業部門の6000人を含む1万5000人)には工場が集中しており、国内の工業部門で排出される二酸化炭素の15%がセーヌ・バレー由来とされる。
ルアーブル市長及びルアーブル都市圏の議長を兼任するフィリップ前首相などが主導して、5社は10月末に2030年を目処に年間300万トンの二酸化炭素を回収する基本合意を結んだ。2040年には回収する二酸化炭素を年間700万トンへ引き上げることを目指す。
トタルは製油所と石油化学工場で年間400万トンの二酸化炭素を排出。やはり製油所を所有するエッソも排出量は多い。ヤラ(化学)の場合は工場のフル稼働で排出される二酸化炭素は年間75万トン。エアリキードはポールジェロームの水素製造工場で年間30万トンを排出しているが、すでに10万トンの回収に取り組んでいる。