サノフィ、新型コロナウイルスワクチンを来年初頭にも発売へ

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

仏製薬大手サノフィが新型コロナウイルスワクチンの発売準備を進めている。2022年初頭の発売を目指している。
サノフィはmRNAワクチンの開発に出遅れ、開発していたワクチン候補も効果が不十分なため断念したという経緯がある。それと並行して開発を進めていたワクチンが現在、臨床試験第III相の段階にあり、その結果が年内に出揃うことになっている。ワクチンは組換えタンパクという従来型の技術で開発され、アジュバントは英GSKが開発した。第III相の治験結果を待たずに、サノフィはワクチンの製造と在庫の構築に着手しており、認可を取得し次第、直ちに出荷できる体制を整える構え。サノフィは、従来型技術による製品として、ワクチンに忌避感のある層を取り込めると期待している。また、ブースター接種の需要が狙い目となり、この場合の有効性の検証も第III相治験において対象になっているという。サノフィの広報によれば、デルタ株に至るすべての変異種について、1回目及び2回目の接種のワクチンの種類を問わず、免疫反応を強化する極めて明確な効果があることを示す結果が得られているという。
なお、フランスでは、12月15日より、65才以上の人について、3回接種をしていない限り、「衛生パス」を有効としないことが決まっている。3回接種は、2回目接種から6ヵ月以上が経過していることが条件となる。衛生パスは、2回目接種から6ヵ月と5週間まで有効とされ、これは、3回目接種を行うのに5週間程度の余裕があるということを意味している。医学的には、2回目接種から6ヵ月を経過すると効果が完全に消えるというわけではないので、6ヵ月から数週間が経過後に3回目接種をしても十分に有効であり、6ヵ月が経過する前に接種するよりは、むしろ数週間遅れて接種する方が合理的であるという。

ouest-france.fr