ニューカレドニア独立の住民投票、予定通りに12月12日に

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

海外領土ニューカレドニアの独立の是非を問う住民投票が12月12日に行われることが決まった。仏政府が決定した。独立派はこの決定を批判し、投票をボイコットすると予告している。
ニューカレドニアでは、長年続いた武力紛争を解決する目的で、1998年に結ばれたヌメア合意の下で、ニューカレドニアの自治強化が段階的に進められた。合意の仕上げとして、最大で3回の住民投票を行い、独立の是非を問うことになっており、その3回目の投票日を12月12日とすることで、去る6月に基本合意が成立していた。しかし、9月にはニューカレドニアで新型コロナウイルスの感染が拡大し、選挙キャンペーンが停止されていた。独立派は、しかるべきキャンペーンができなかったことを理由に、投票日を来年9月に延期するよう要求していたが、政府はこのほど、感染が沈静化し、安全に投票が行えるようになったと判断、予定通りに12月12日に投票を行うことを決めた。
過去2回の投票は、いずれも独立反対が過半数を占めたが、賛成派の得票率は上昇する傾向にあった(2018年11月には43.3%、2020年10月には46.7%)。ただし、その後にニューカレドニア議会で多数派となった独立派は、内部の対立もあり政局運営の混迷ぶりを露呈し、支持の勢いが鈍っている。このまま投票日を迎えると独立が最終的に否決される可能性が濃厚で、政府筋は、延期要請を時間稼ぎであるとする見方を示している。帰属派は投票日の決定を歓迎しているが、投票の結果が独立否決となっても、これに納得しない独立派との間で対立関係が続くのは避けられない。なお、独立の是非を問う住民投票を経て、2023年6月までに新たなニューカレドニアの政体を決める計画案がまとめられ、幅広い協議が行われることになっている。