マリでの4年間の人質生活を経て解放された仏・スイス国籍のソフィー・ペトロナンさん(76)がマリに戻っていたことが明らかになった。バッシングの対象になっている。
ペトロナンさんは孤児救済の人道援助団体の活動家としてマリに長年にわたり滞在していた。現地で誘拐され、長期にわたる人質生活を体験後、2020年10月に、他の3人の人質と共に解放された。この時にマリ政府は200人を超えるイスラム主義の収監者の解放に応じており、フランス政府等もアルカイダ系のグループに身代金を支払ったものとみられている。ペトロナンさんは解放後にスイスの息子の家に戻ったが、解放時よりマリに戻りたいと希望を表明していた。報道によれば、ペトロナンさんは7ヵ月前にジュネーブからダカールへ旅客機で移動し、その後陸路でマリに入った。現在は首都のバマコで、養女のもとで生活しているという。
マリ入国は違法行為であり、マリの憲兵隊が数日前にペトロナンさんの指名手配に着手したことからマリ入国の事実が知られることになった。アタル仏政府報道官は3日、ペトロナンさんの行為は無責任であり、自らの安全だけでなく、現地で作戦を続けるフランス軍の兵士たちの安全も脅かす恐れがあると言明した。7ヵ月前に入国したペトロナンさんの件が今になって浮上したことを巡っては、マリの軍事政権とフランス政府の間の対立関係が深まっていることが背景にあるとみる向きもある。