アリアン5ロケット打ち上げ、最大重量記録を更新

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アリアンスペース社のアリアン5ロケットの打ち上げが23日に成功した。静止軌道に2つの衛星を投入した。合計重量は10.26トンで、静止軌道への衛星投入としては世界最大重量の記録を更新した。なお、アリアン5は2基合計で最大11.2トンまでを打ち上げることができる。
アリアン5は後継のアリアン6に道を譲って計画が終了する予定で、あと6回の打ち上げが残っている。12月18日には、NASA(アメリカ航空宇宙局)が中心となって開発したジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げという大仕事が控えている。
23日に軌道投入に成功したのは、衛星事業者SES(ルクセンブルク籍)の通信衛星SES-17と、フランス軍の軍事通信衛星Syracuse 4Aで、いずれもタレス・アレニア・スペース社が製造した。このうちSyracuse 4Aは、2000年代に就役したフランス軍の軍事通信衛星システムSyracuse 3を後継する最初の1基で、2030年までに全体で3衛星体制となり、地上基地の刷新も順次進められる。費用総額は36億ユーロに上る。Syracuse 4Aは軍事衛星として初めて電気推進を採用。これは欧州でも初の試みとなった。軍用通信の性能も大幅に向上する。