BPIフランス(公的投資銀行)はこのほど、オンラインでの本人確認技術を開発のベンチャー企業Ubbleに400万ユーロを投資することを決めた。新たな資金調達ラウンドに先回りして参加した。
BPIフランスは、新型コロナウイルス危機に伴う制限措置の期間中にUbbleのサービスを利用し、融資希望者の本人確認を行った。有効性を見定めた上で出資を決めた。
Ubbleは2018年の設立。ジェムアルト(ICスマートカードなど)のOBであるジュリエット・ドラノエ氏らが設立した。同社の本人確認では、本人の顔と身分証明書2点の動画、合計3点を発信してもらい、人工知能(AI)を通じて検証を行い、次いで人間によるチェックを組み合わせて最終的な確認を行う。短時間で確実性の高い確認ができるのを売り物とする。
サーバーは国内に置き、セキュリティの高いクラウドサービスを用いている。当局機関Anssiが去る1月に発表したリモート本人確認の仕様に即した適合認証の取得を目指して準備を進めている。なお、この認証取得に向けては、ほかに4社(AriadNext、AR24/Docaposte、QuickSign、Tessi)が準備を進めている。
Ubbleは、BPIフランスのほか、大手銀行のソシエテジェネラル、クレディアグリコル、BPCE、さらにモビリティサービスのHeetch、Boltなどを顧客としている。2020年には1000万ユーロを調達。PartechやBreegaなどを株主に数える。