ラガルデール・ニュース(ラガルデール・グループ傘下)は19日、日曜紙JDDと写真誌パリマッチの編集長を務めるエルベ・ガテーニョ氏が22日付で辞任すると発表した。理由は明らかにされていない。突然の辞任の発表に、両紙誌の編集部には動揺が広がっている。
ラガルデール・ニュースは、ラガルデール・グループの子会社で、メディア事業を統括している。最近では、実業家のバンサン・ボロレ氏が率いるメディア大手ビベンディが、ラガルデール・グループの買収に向けた準備を着々と進めており、既に、ラガルデール傘下のラジオ局「ヨーロッパ1」では、ビベンディ傘下のCNews(ニュース専門地デジ局)との間の協力が進められている。こうした動きについて、ラガルデール社の内外では、ボロレ氏による乗っ取りとみて警戒する向きがある。大統領選挙を2022年4月に控えるというタイミングもあって、ボロレ氏の動きは特に注目されている。
それとは別に、ガテーニョ編集長は、パリマッチ誌が掲載したリビア人実業家タキエディン氏のインタビューを巡る疑惑の渦中にあった。このインタビューは、リビア資金不正疑惑を追及されているサルコジ元大統領にとって「援護射撃」となる内容だったが、報道内容を操作した疑いから、同誌のジャーナリスト2名が容疑者として捜査対象となる事態にまで発展していた。