世界の2020年原子力発電量:中国、フランスを初めて追い越す

投稿日: カテゴリー: エネルギー・環境レポート

仏マイケル・シュナイダー・コンサルティングがまとめた原子力部門に関する報告書「World Nuclear Industry Status Report」2021年版によると、中国の原子力発電量は2020年に345TWh(前年比4.4%増)となり、フランスの原子力発電量(前年比11.6%減の335.4TWh)を追い越して米国(前年比2.4%減の789.9TWh)に次ぐ世界2位となった。
フランスの2020年原子力発電量は、過去27年で最低となった。2020年は、新型コロナウイルス禍にともなって、電力消費量が減少した上に原子炉の保守スケジュールに遅れが生じた。また、フェッセンアイム原子力発電所(オーラン県)の2原子炉が閉鎖されたことも響いた。
なお、世界における2020年原子力発電量は前年比3.9%減の2553TWhとなった。福島事故の翌年2012年以来の減少となる。2021年半ば時点での世界における原子力発電総設置容量は369GWとなり、2006年の367GWを上回って過去最高となった。原子炉の数そのものは減少したが、原子炉1基あたりの容量が増加している。2020年に運転を開始した原子炉は5基(ベラルーシ、アラブ首長国連邦、中国など)、また閉鎖された原子炉はフェッセンアイムの2基を含め6基だった。他方、5基の原子炉が着工された(中国4基、トルコ1基)。