仏行政最高裁、大気汚染改善未達で国に1000万ユーロの罰金命令

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仏行政最高裁(コンセイユデタ)は4日、大気汚染の改善命令に仏政府が従わなかったと認定し、1000万ユーロの罰金処分を言い渡した。1年前に下した判決に依拠して初めての罰金処分を適用した。行政最高裁は2022年初頭に再度審査を行うが、改善が不十分なら再び罰金処分を決めることができる。
この訴訟は、環境保護団体「地球の友」が2017年に国を相手取り起こした裁判を発端とする。団体側は、二酸化窒素と粒子状物質の濃度が13都市で欧州連合(EU)が定める基準を上回っていると主張し、国の責任を追及した。行政最高裁は2020年7月に、8都市で基準超過があると認定し、国に対して改善を命じる判決を下していた。判決は、改善が実現するまでの間、6ヵ月につき1000万ユーロの罰金を適用する旨も定めていた。
行政最高裁は今回、国の改善努力にもかかわらず、二酸化窒素が5都市(パリ、リヨン、マルセイユ・エクス、トゥールーズ、グルノーブル)で、粒子状物質がパリで、それぞれ基準を超過していると認定。決定済みの改善措置については、その一部が実際に施行されるかどうか不確かであり、その成果がどの程度になるかも評価が示されていないとし、早期に改善を実現するのは望めないとの判断を示した。その上で、1000万ユーロの罰金処分を言い渡した。罰金の収入は、原告の「地球の友」を含めた環境保護団体と大気汚染に関連する研究機関の間で分配される。