CNIL、ロビー活動用リストを作成のモンサントに罰金処分

仏CNIL(個人情報保護機関)はこのほど、モンサント(独バイエル傘下)に対して40万ユーロの罰金処分を言い渡した。個人情報を網羅したリストを不正に構築していたと認定した。
モンサントはグリホサートを主成分とする除草剤「ラウンドアップ」の製造元。グリホサートは健康上のリスクに関する懸念があり、欧州連合(EU)でも販売許可の廃止が議論の対象となって久しいが、モンサントは2013年より、ロビー活動の一助とする目的で、PRコンサル会社等に依頼して、グリホサートや遺伝子組換え作物等の案件に関する立場という観点から著名人らを分析させ、そのリストを作成させていた。このリストは、政治家やジャーナリスト、環境保護の活動家、農民、科学者など200人余りを網羅し、各人には、グリホサートへの支持の度合いなど、様々な項目について5段階で評点がつけられていた。この問題は、2019年5月にルモンド紙などの調査報道を通じて表面化していた。
CNILは、リストに掲載されていた人々から7件に上る提訴を受け、調査を経て今回の処分を下した。CNILは、ロビー活動のために連絡先のリストを作成することは違法とは言えないが、目的に照らして容易に予期できない人々を網羅するのは行き過ぎだと指摘。モンサント側は、CNILの制裁が及ぶのは「個人情報の処理の責任者」であり、発注者であるモンサントはこれに該当しないと主張したが、CNILは、目的に応じた情報処理業務である以上は、その目的、さらにそれを実現するための手段に責任を負うのは発注者のみであるとの判断を示し、モンサントの反論を退けた。
この事件では、フランス以外でも、欧州6ヵ国(ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランド、スペイン、英国)及びEU機関を対象としたリストが存在していた。モンサントを2018年に買収したバイエル社はこの件を謝罪し、リストを作成した現オムニコム・パブリックリレーションズ・グループとの契約を停止していた。CNILとは別に、仏司法当局も違法行為の疑いで調査を進めている。