フランスの高等教育機関への浸透を図る中国政府=リベラシオン紙報道

仏日刊紙リベラシオンは7月27日付で、中国政府によるフランスの高等教育機関への浸透戦略について報じた。様々な手段を使って、中国共産党の世界観にそぐわない言説を封じるべく影響力を行使していると報じた。
最近では、仏上院議員が計画した台湾視察について、中国政府からの圧力があったと抗議した仏人研究者のアントワーヌ・ボンダズ氏に対して、駐仏中国大使がツイッター経由で激しい言葉で非難するという事案があった。リベラシオン紙によれば、中国政府によるフランスの高等教育部門への浸透の戦略に対して、フランス政府も警戒を強めており、大統領府の指揮下で、国内の情報活動を統括するDGSIを動員し、大学関係者などを対象に意識向上の啓蒙活動などが展開されているという。
リベラシオン紙の報道によれば、中国側はまず、提携により大学など高等教育機関に接近。予算難に悩む地方の小規模な大学が当初の狙い目だったというが、現在ではほとんどすべての大学・機関が何らかの提携関係を中国の機関と結んでいる。孔子学院が橋頭保として活用されており、中国側は派遣する教員を厳選し、台湾や新彊問題、香港などあらゆる案件について中国側の主張を広めることに努めている。中国研究者に対しては、▽提携を持ち掛けて懐柔を図る、▽所属組織の上層部経由で圧力をかける、▽中国人留学生をけしかけて授業を妨害などする、といった手段で圧力を行使。「問題研究者」は査証発給を拒否されるという噂もあり、研究者や教員を「自主規制」に追い込む空気が醸成されている。中国人留学生などの場合は、地元の家族が何らかの不利益を被る可能性があるため、自由な発言をすることはできず、相互監視の圧力も強い。共産党体制で出世を望む者の場合は、「手柄」を立てようと熱心に行動する。在仏中国大使館はこの点について、「密告の奨励といった、一部の欧米諸国が常とする卑劣なやり方を中国政府が用いることはない」とコメントしている。