エブロ、仏パンザニをCVCキャピタルパートナーズに売却へ

スペインのエブロ(食品)は26日、仏パンザニ(パスタ)の主要事業の売却に向けて、投資ファンド大手CVCキャピタルパートナーズと独占交渉を開始すると発表した。乾麺、デュラム小麦粒(クスクスなど)、各種ソース事業を売却する。売却額は5億5000万ユーロで、エブロが当初望んでいた6億ユーロよりも低い。「リュスチュクリュ(Lustucru)」ブランドの冷蔵パスタ(2002年にパンザニが買収)と「トローエレ」ブランドの米は売却の対象外となる。パンザニの本社は売却後も仏リヨン市に置かれ、人員数に影響は生じない。
パンザニは仏パスタ市場で37%のシェアを有する最大手。売却対象の事業は年商が4億7000万ユーロに上る。パンザニの買収には、仏リュスチュクリュなども関心を示していたが、エブロは競合企業への売却よりも投資ファンドへの売却を選んだ。
仏パスタ市場は、新型コロナウイルス危機が追い風となり、2020年には大幅な販売増を記録。その反動で今年に入り販売が8%減を記録しているものの、危機前の2019年と比べて5.5%増と成長を維持している。ただ、売却対象の乾麺は、冷蔵パスタと比べて成長が鈍く、価格面でも下げ圧力を受けていた。足元で原材料費が高騰する中で、価格設定には微妙なかじ取りを迫られてもいる。このため、売却価格はEBITDA倍率が10程度と、エブロの期待より低めに落ち着いた。買収するCVCは、一時はリュスチュクリュと協力しての買収も検討したという経緯があり、買収後に何らかの再編の動きに乗り出す可能性も残る。