アルストム、4-6月期に大幅増収

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鉄道機器大手の仏アルストムは20日、4-6月期(2022年3月期の第1四半期)の売上高等について発表した。大幅な増収と受注増を達成した。
4-6月期の新規受注は64億4000万ユーロを記録。前年同期比で290%の大幅増を記録した。手持ち工事量は6月末時点で768億ユーロとなり、3月末の745億ユーロを上回った。売上高は37億ユーロとなり、146%の大幅増収を達成した。
増収や受注増は、ボンバルディア(カナダ)の鉄道機器部門の買収を1月末に完了したことの影響が大きい。ただし、前年同期にボンバルディアを連結して比較しても、4-6月期の新規受注は106%の増加を記録しており、好調さをうかがわせている。同期には特に、デンマークで獲得した大型契約(14億ユーロ)があった。この契約では、数日前に15年間の保守契約も獲得しており、これを合算すると全体の規模は26億ユーロに上る。
買収したボンバルディアの鉄道機器部門の利益率は3-4%と、アルストムの8%と比べて低い。利益率の改善が当面の課題で、アルストムの株価は、7月初頭の時点で、10ヵ月前と比べて13%程度の低下を記録していた。しかし、4-6月期の売上高等の発表を市場は歓迎し、同社株価は同日取引開始直後に2.48%の上昇を記録した(終値では2.9%高)。アルストムは2025年までに利益率を8-10%と業界最高の水準に引き上げることを目標に掲げている。